BERTRAM 31 BAHIA MAR

アメリカ人がバートラム31に寄せる思いには特別な郷愁がある。

30年以上も前に建造された艇がピカピカに蘇り、ボートショー会場の中央に展示された姿を見つけたとき、 今や社会の中枢をになうオジサンたちの脳裏には、若き日の甘酸っぱい思い出が駆けめぐり、美しくリビ ルトされた姿を、彼らは自分の中にも見いだそうとしているようだ。

その優れた機能性と操縦性能にではなくて、バートラム31にだけ与えられた、謎の微笑みをたたえた ビーナスの様な神秘性に惚れ込んでしまうのだ。 バートラム31は、これ以上大きくてはいけない。 小さくてもいけない。太っててもいけない。痩せていてもいけない。
絶妙なるバランス感覚の内に、この類い希な名艇が生き続けている。 オフショアーボートの走行性能を飛躍的にアップさせたディープV船形の生みの親 Ray Hunt は、 人が乗り物を愛おしむ気持ちの本質を見つめることができた、天才的な美術家であったように思う。
一度インターネットで検索にチャレンジすればわかる。 ボートビルダーとしてBERTRAM社を発見すると同時に、bertram31のホームページが有ることを。 バートラム31は、時の流れや金銭的な利害を超えたアメリカの象徴になるのだろうか。


SPECIFICATIONS
Length:30'7"  Beam:11'2"  Draft:2'9"  Weight:9,400# 
Water:18gals  Fuel:222gals  Cockpit:147sq.ft. 
Hull Type:Deep-V  Deadrise Aft:23゚
Designer:Ray Hunt  Production:1966-81

その名の通りバヒアマーのボートショー会場に現れた
Bertram31BAHIAMAR ヤンマー6LPを搭載した試乗艇です。

日本ではこちらの方が有名なフライングブリッジモデル。
はたして現存する艇は何隻でしょうか?