静粛・ブッ飛ビ!異次元ディーゼル艇!!!

試乗レポート:DONZI38ZX+YANMAR 6LP

私は根っからのYACHTING FISHERMAN であるが、パフォーマンスボートの走りにもちょっとうるさい。
浜松から西宮まで、大荒れの太平洋を回航したFORMURA419 の安全性にも感服したが、 ドッコイ今回のドンジー38には本当にマイッタ・惚れ込んだ。
ボートのオーナーは、パワーボートレーシングの世界で著名なマストリー氏。 エンジンのディストリビューターであるマストリー社の副社長を務める傍ら、 趣味と実益をかねて今はこのドンジー38ZXを楽しんでいる。
改築中の別荘の裏庭からボートを降ろし、トレジャーアイランドの間をぬけて、 ガルフストリームを疾走して戻ってくる約2時間の試乗であった。 セルを回してエンジンを始動すると、2機のヤンマー6LP(300PS×2)は、 思いがけない程の滑らかさを発揮する。
ガソリンエンジンと比べてもなんら遜色はない。走行性能はどうなのだろうか?
No Wake の別荘地帯を離れたところで、マスタりー氏は一気にスロットルを開いた! おおおおおおおー!!!!!!!!!!!!!『すごい加速やナー 今何ノットや』
氏の背後で必死に加速に耐える私の耳元に、同乗者の言葉が聞こえる。 マスタリー氏は、”60マイルぐらいやでー”ともちろん英語で答えてくれる。

ここで我に戻った私たちは、ふと気が付いた。なんと、普通に会話できるではないか。
時速100kmぐらいで走るボートの上で、”普通に”話せるのである。 上の写真のように、マスタリー氏はフルスピードで疾走しているボートの操縦をしながら、 携帯電話で話をしている。(アンテナに注目)
考えられぬことだが、ガソリンエンジン艇よりも、振動が無く静かであるように思う。 おそらくFORMURA419SR1 のガソリンエンジン3機掛け艇と同程度の最高速を出し、 よりすぐれた加速性能と静粛性を発揮していると思う。
そして何より恐ろしいのは、燃費の良さである。 マストリー氏の実績では、1時間当たり40リッターの消費であるという。
巡航スピード30〜40ノットぐらいのデーターであると思うが、 軽油の免税がきく日本では経済面でのメリットは計り知れない。
快適でかつ経済的なハイパフォーマンスボート。 ドンジー38ZXは、私のような釣り師にも最適なドリームボートであった。